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口ごもつて、
「なに、切れてるつて?」
横合から冷かすやうに口を入れたのは雑貨店の庄谷だつた。痩せた上に黒く日焼けがし、固く乾いたやうな顔には小さいが白味の多い眼がいつも人を小莫迦こばかにするやうに閃いていた。彼はさつきもその眼で入つて来たばかりの房一を見、房一が挨拶すると「あン」といふやうな声を出しただけで、すぐに話に聞き入つていたのだつた。
「すまんでしたな、長話をして」
「ふむ、ふむ」
道平が口をうごかせるまでには随分手まどつた。
「わたしはね、こいつは割れさうだなと思つたもんでね」と、笏で自分のはいている木沓を指して、
房一は慌てて、診察にかゝつた。その後で彼は云つた。
小谷は不安げに呟いた。
間もなく二人は来た時と同じに、つれ立つて、いくらか日蔭のできた路を、どういふものかどちらも自転車に乗らうとはしないで、押しながら歩いていた。
不幸なことに房一の予測はあたつた。いや、それ以下とも云へた。
「や、さうでしたか。それは――」と、鬼倉は目に見えて和やはらいだ。
「あら、お帰んなさい。随分早かつたのね。もう済んだんですか」